ランドマークオカヤマ

個人的な記憶の道標

ironnauts

駐車場で、

車のなかで、

『ミスエデュケーション』が3周する間ずっと、

話して、笑いあって、手をつないで、抱き合ってた。

3周目で博多ラーメンを食べに行った。

店員のオーダーミスで煮たまごがトッピングされてきた。

駐車場に戻って4周目の2曲目で別れた。

5周目だったかもしれない。

離れたくなくて長いあいだ抱き合った。

Dooby

その、ジョンという名前の陽気なニュージーランド人は、

ぼくらが店に入る前からカウンターで飲んでいて、

きっと楽しかったのだろう、

ぼくらもふくめて周りの客に酒をおごり始めた。

とにかく話好きな奴で、

英語が通じない相手でもお構いなしで話しかけていた。

ちなみにぼくと同い年で英語の講師をやっていて、

古いロックが好きだった。

冗談で、

「Fuck you」

を連発して周りを笑わせていた。

喋るペースも飲む酒のペースも早かった。

 

早朝の4時か5時ごろになって、

さすがのジョンも帰ろうとチェックをしたのだが、

どうやら予想していた金額をはるかに越えていたらしく、

「really?」

と一言つぶやいて顔面蒼白になっていた。

お金が足りなかったのでよしくんに残りはツケにしてもらった後は、

カウンター席でため息ばかりついていた。

あんなに楽しそうに喋っていた面影はどこにもなかった。

だんだんかわいそうになってきて、

一杯おごってもらった分を返すつもりで、

ぼくと西くんが500円ずつジョンに渡したら日本語で、

「・・・やさしい」

と言った。

 

oltwax&gram

ゆうこりんはかずくんのことを師匠と呼ぶ。

かずくんはゆうこりんをDJにしたいらしい。

童謡のレコードを一枚ゆうこりんにやって、

「DJするときはこのレコードを持って来い」

と言ったらしい。

それ以来ゆうこりんはイベントのたび、

「師匠、わたしの出番はいつですか?」

と聞く。

「トリだ」

かずくんは答える。

しかし、ゆうこりんはいつもトリの前に家に帰る。

TSUTAYA西大寺店

鳥取の小沢見海水浴場で毎年開催されている

SUNLIFEという野外音楽フェスに行った。

その夜、星空の下で好きなSF映画の話をした。

「タイトル忘れたけど、書斎が宇宙につながってる話が良かった」

あきぽんがそう言って、

ぼくはその映画がきっと自分の趣味に合うだろうと思った。

「なんていう映画だろ?観てみたいな」

結局、タイトルは分からないままだった。

 

翌日、思ったより帰りが早くなったので最寄のTSUTAYAに寄ってDVDを借りた。

前々から気になっていたインターステラーというSF映画だった。

書斎が宇宙につながってる話だった。

 

ママビスコッティ

「お酒飲めんから、酔ったときの楽しさが分からへん」

「まあ、えりちゃんいつも酔っ払っとるような感じじゃからな」

「え!どうゆうこと?わたしの普段がぼんくんの酔っ払ってるのといっしょなん?」

「いや ・・・なんかふわーとしとるが」

 

会話を聞きながら笑いをこらえる、みぃ

東山峠

東山峠あるじゃないっすか。

あそこをね、立ち漕ぎしたいの我慢して登るんすよ。

本当はしんどいんすけどあえて我慢して。

そしたらセックスみたいな感じになるんすよ。

チャリと俺との。

汗がフレームに落ちるじゃないっすか。

興奮するっすね。

HISHIO 岡山駅前店

若い男女の店員ふたりだった。

注文が一区切りついて、

店長らしい男性店員が外に出てガラス扉を布巾で拭いている。

どんぶりを片付けながら、

女性店員が微笑ましげに外に目をやる。

ふたりとも楽しそうだ。

午後5時は夕食にはまだ早くて店内は空いている。

きれいに拭かれたガラス扉からは日差しがよく入る。