鳴滝森林公園
すっかり紅葉した落ち葉を拾ってフランソワが言う。
「どうして、葉っぱはこの色になるのか、分かる?」
ぼくは首を横に振る。
「葉っぱの色はもともとこんな色。夏の間だけ、光をいっぱい浴びて緑色になる。
夏が終わったらだんだん元の色に戻る。だからこれは葉っぱがもともと持ってた色」
ぼくは今だ空で揺らめいている緑の葉に目をやる。
夏が終わろうとしているのか、
もう一度始まるのか、
ふいに分からなくなる。
ぼくは言う。
「そうか。じゃあ、この空といっしょだね」
「?」
「真っ暗な宇宙はいつだって空の向こうに広がってる。
でも、昼間はいちめん青色で星も見えない」
「そう!だから、同じ」
ふたりでしばらく空を見上げる。
昨夜とはうって変わって真夏のように日なたは暑い。